業界トレンド by カーデマガジン
一般カーオーナー様向けウェブメディア「カーデマガジン」と連携し、プロも押さえておきたいニュースをお届け。前号に引き続きですが、カラーPPFの話題をご紹介します。
▷新素材への対応を楽しめるかコストと見るか
▼CARDEマガジン元記事を御覧ください
前号のメルマガでも紹介しましたが、日本カーラッピング協会様主催のラッピング大会「World Wrap Masters JAPAN2024」が東京ビッグサイトで開催されました。詳細は上記記事をご覧いただければと思いますが、やはり「プロテクションフィルムの普及の勢い」を改めて感じました。
今回の競技はラッピング(塩ビ)とPPF(ポリウレタン)の混合種目で、従来までのように“ラッピングだけ上手くても勝てない内容”に。それでも上位陣はラッピングの熟練者が揃った結果ではあったのですが、自動車外装フィルムを扱う上でラッピングとPPFを完全に切り分けるのは難しい、今後はその境がより曖昧になっていくのかな、なんて可能性を抱きました。
特にその後押しとなっていそうなのが、機能面で上位互換ともいえるカラーPPFが本格的に普及し始めたこと。前号メルマガでもNKODA製品を紹介しましたが、メーカー・製品数もカラーバリエーションの豊富さも価格競争も年々進み、デザイン出力するインクジェットメディアはまた別ですが個人車両のカラーチェンジにおいては顧客にとって相当に有益な選択肢になってきました。
そもそも考えてみると、カーオーナー側の要望はあくまで「キレイにカラーチェンジしたい」であって「塩ビのフィルムを貼りたい」わけではなく、塩ビを貼っているのは素材技術や製品、施工者の設備・技術など提供者側の都合によるもの。そこにカラーPPFのような素材技術・製品の革新が1つ加われば、付随する施工者(設備・技術)も変わっていくのは自然なことのようにも思えます。コーティングやカーフィルムがルーツな私も得意ではないものの、最近ではカーボン柄などでカラーPPFの扱い比率を徐々に増やしている今日この頃です。
そして、そんな施工の現場であくせくしているからでしょうか。今回のWWM JAPAN、優勝したサイモン選手など海外の方の「施工者としてのストイックさ」に考えさせられる部分もありました…。施工をスポーツとして捉えて休日も研鑽するサイモン氏、「アメリカで女性をレペゼンする」という価値観を競技に見出すエリカ氏…。それぞれのビジネス性を度外視したようなライフワーク的な仕事との向き合い方に、私も自営業の身ではありますが改めてその言動に触れて刺激をもらいました。
カラーPPFのような新たな素材・製品が出てきた際、ビジネス的観点が強いと「技術も設備ツールもそれに対応しなければ」などとつい「大変さ」「コスト」が頭をよぎってしまいがちです。そこで思い出すのが「仕事では扱いが少ないけどPPFを勉強する・極めるのは楽しい」というサイモン氏の言葉。単純に「技術者・施工者としてカッコいいな」なんて初心を思い出したような心持ちを覚えましたし、サイモン氏のように環境変化を前向きに捉えられれば事業展開も無駄に足踏みすることなく対応していけそうですよね。